「習い事を始めるなら、何が成長につながるの?」。気になる問いですが、人気の種目と、研究で効果が確かめられたことは別です。今回は紹介する研究の対象年齢も確認し、期待できることと、まだ言えないことを分けて整理しました。
この記事で紹介する研究だけでは、4・5歳が習い事を始めたときの効果を一律には言えません。6歳の実験や小学生以降の調査を含むためです。本人の興味と家族の負担を確かめ、体験のあとに振り返るための材料として読みましょう。
音楽レッスンの実験で分かった範囲へ ↓
人気の種目と、その子に合う習い事は分けて考える
何を習うかを探すとき、ランキングだけでは「本人が楽しめるか」「家族が無理なく通えるか」は分かりません。この記事では、種目ごとの優劣を決めるのではなく、研究で確かめた範囲を整理してから、家庭で選ぶときの確認点を考えます。
音楽レッスンの実験は、4・5歳全員の効果を示したものではない
カナダのシェレンバーグによる2004年の実験では、子供144人を音楽、演劇、レッスンなしの群へランダムに分け、前後のIQなどを比べました。論文の要旨では、音楽群のIQの伸びは比較群より大きいものの、差は小さいと報告されています。演劇群では、対人的な行動の適応に改善が報告されました。
米国心理学会による紹介は、この2004年の実験の対象を6歳と説明しています。4・5歳に同じ効果があることや、すべての教室で同じ結果になることまで確かめた実験ではありません。
没頭・達成と「勉強が好き」の関係を調べた追跡調査
ベネッセの分析では、日本の小4時点の1,332人を高3まで9年間追跡しました。小4で挑戦や没頭などの経験が多い子は、高3まで「勉強が好き」と答える割合が高い傾向でした。
ただし、小学生以降の観察調査です。習い事の種類の優劣を比べた実験ではなく、経験が多いことだけが原因で勉強を好きになったとも言い切れません。4・5歳の習い事を直接調べた結果としては扱わず、本人の経験に目を向けるきっかけとして読みます。
体験のあとに親子で振り返る確認リスト
ここからは家庭で選ぶための提案です。この確認表そのものの効果を研究で確かめたわけではありません。
| 本人の興味 | 「またやりたいところはあった?」「困ったところは?」と、答えやすい聞き方で確認する。 |
|---|---|
| 教室での過ごし方 | 先生の説明や雰囲気について、本人がどう感じたかを聞く。体験だけで判断できない点は教室へ確認する。 |
| 生活の負担 | 送迎、通う時間、練習、費用を含め、親子の生活と両立できるか考える。 |
| 見直す時期 | 次に振り返る日を家族で決める。休会・退会の条件も始める前に確認する。 |
研究に使われた期間を、そのまま家庭での試用期間にする必要はありません。始めた後に嫌がるようになったら、習い事の辞め時の確認表で理由と選択肢を整理できます。
経営学のヒント:小さく試し、見直す基準を先に決める
ここからは私の考えです。「この習い事なら大きな成果が出る」と期待だけで決めるより、体験で本人の様子を見て、続ける条件と見直す条件を考えておく方法があります。過去に払った費用だけで続ける判断をしないためにも、始める前から振り返る機会を作りたいと思います。
まとめ:効果を約束せず、本人と生活の両方を見る
- 紹介した実験・調査には、4・5歳以外が対象のものがある。
- 観察調査の関連と、実験で確かめた効果を区別して読む。
- 体験後は本人の興味、教室の印象、生活の負担を振り返る。